作品紹介

「音詩劇 かぐや」は こんなオペラです

 月世界での誹謗中傷に傷つき、ガラスの柩に閉じこもった「月の姫かぐや」。侍従達のはからいで、「蒼き水の惑星」地球、に送られる。その地上界で、かぐやは、じじとばばの深い愛に育まれて心を癒されていく。そして、美しいだけではなく、品格と強い意志・覚悟を持った女性に成長を遂げる。しかし・・・

 銀河宇宙の気の遠くなるような時間と空間。百年に満つるか満たぬかの人間の時間。
じじとばばの、見返りを求めることのない愛。男女の愛。そして・・別れ。

 音楽は、壮大な大合唱から、独りの細やかな心情を歌い尽くすアリアまで、大小のスケールと豊かな色彩を用いて、この世界を描きながら、観る人の心の奥深く語りかけてゆく。

 浜松市民と浜松市ゆかりの、ソリスト・合唱団・児童合唱団・舞人・管弦楽・和楽器奏者、総勢200人超が繰り広げる、創作オペラの「ここにしかない世界」。深く浸り、心から楽しめる時空を、観客の皆様と共有できますよう、力の限りを尽くします。是非、ご来場下さい。

作曲 鳥山 妙子

色彩感豊かな音楽的語法、確かな技術に裏打ちされ構成観を備えた音楽、また「歌」を書ける作曲家として評価されている。
浜松学芸中・高等学校、清竜中学校、光が丘中学校、佐久間中学校の新校歌は、生徒たちと親、先生にも人気がある。

主な舞台・映像音楽作品として、アクトシティ浜松開館5周年記念「銀河鉄道の夜」、浜松市制90周年記念(第1回)こどもミュージカル「デイ・ドリーム」、浜松市制100周年記念 音詩劇「かぐや幻想」、映画「いのち」等があり、近年では、2017年クリエート浜松で上演した実験的作品「デッサン」が翌2018年オペラ「何故・だから」となり大好評。更にその拡大版/オペラ「真昼の夜想曲」は、令和元年度文化庁芸術祭参加公演(音楽部門)として採択され、横浜市で上演し、翌2022年、第8回浜松市民オペラ・プレイベント「鳥山妙子作曲作品 個展」で改訂版を再演。これら3つのオペラ公演はいずれも終演後観客アンケートで9割以上の高評価を得た。

東京藝術大学音楽学部作曲科卒。浜松市出身・在住。

作 荒井 間佐登

東京藝術大学卒業。その後、ヨーロッパ各地を遊学。
帰国後は日本オペラ協会等で舞台監督、演出、プロデューサーを担当し、観世栄夫、武智鉄二、大賀寛各氏の薫陶を受ける。文化庁大規模派遣公演としてワルシャワでオペラ「袈裟と盛遠」をプロデュース。FIFAワールドカップ記念公演オペラ「春香」(横浜)、「蝶々夫人」(プラハ)の演出等。日本オペラ協会では「高野聖」「袈裟と盛遠」「春琴抄」「天守物語」(いずれも、新国立劇場)の演出・美術等。シンプルにして美しい造形、光と色使いの素晴らしさに定評がある。

浜松市に関連し、浜松アリーナ開館記念ファンタジー「クリスターナ」、アクトシティ浜松開館記念音楽劇「E.T.F.ショパン」、「銀河鉄道の夜」、音詩劇「山月奇譚」・「かぐや幻想」(アクトシティ浜松他)の演出・美術・脚本等。

近年では、新作オペラ「天生」(2015年飛騨市)、「デッサン」(2017年)、「何故・だから」(2018年。クリエート浜松30年記念事業)、「真昼の夜想曲」(今和元年度文化庁芸術祭参加公演、2019年横浜。改訂版、2022年アクトシティ浜松)、の脚本・演出・美術を手掛け、成功を収めている。
神奈川県出身。